引っ越し完了、市川を出る。
何年振りかに松戸へ帰る。
久々に大門通りを通ってから新居へと急ぐ。
この間に色んなことが変わった。
以前週に一度働いていた大門通りのボナールも先日、取り壊されてしまった。
更地になったら車1台しか止められない駐車場に変わってしまった。
遺骨を拾う時のように「小さくなっちゃったね」と声をかけたくなる。
ボナールでは週に一度店番をした、3年ほど続いた。
「ここで稼ぐ金額以上に音楽で稼ぎます」と言ってボナールを離れ、辞めて3ヶ月もしないクリスマスイブにマスターの佐藤さんは亡くなった。
埃とネズミが住みつく、頼りない電球の灯り、急に鳴り出す黒電話…変わり果てた姿を眺めていると、全部がマボロシだったんだとさえ思う。
時間とは儚いものだ。
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寝静まった街
誰かが呼んでる声がする
踏切を越えた小さな店
ドアの隙間から漏れる音
友達とも違う
家族ともまた違う
話があれば盛り上がり
話がなければ黙って飲む
壁に掛かった小さな絵
それなりの物らしい
積った埃は歴史であり
多めに注がれるコップ酒
いつまでも続くような
だけど朝はやって来る
みんな酔っ払ってしまったよ
ドアの隙間から射す朝日
陽が落ちて 重いドアあけて
陽が昇ったら また今夜
踏切の音は聞こえる
今も踏切の音は変わらない
いつか忘れてしまうのかな
ひどく酔った時のお代みたく